未来


あなたの目の前に
あなたの未来の姿が現れたら
あなたはどう思いますか?
絶望しますか?
それとも感激しますか?
それとも・・・



俺は普通だ
普通の学生だ
だから将来も普通に就職して相手がいれば普通に結婚して
それから普通に老けて普通な死に方して普通の葬儀で人生を終えるはずだ
それはゆるぎない事実だと思っていた



「ちょっとそこの君〜。」

「・・・」

「君だよ君。そこの学生君。」

「俺・・・ですか?」

「そうだよ君だよ。ちょっと私とお茶しない?」

「危ない人についてっちゃ駄目って教わってるんでお断りします。」

「・・・まぁ確かにその年の頃はそう思ってたわ。でもね君。たまには冒険も必要よ?」

「そんな糞みたいな冒険普通な俺には必要ありません。」

「あら強情ね。でもこれを見たらあなた嫌でも私とお茶したくなるわよぉ?」



そういって目の前の女性は俺に名詞を差し出した



「バー"フェマーレドレス" 飯野岬?これが何か?」

「それは偽名よ。本名は昌人っていうの。」

「へ〜・・・。昌人っていうんですか・・・。って!?」

「ふふふ。ついてきたくなったようね?とりあえずあそこのカフェに入りましょ。」



俺は普通だ?
普通の学生だ?
だから将来も普通に就職して?相手がいれば普通に結婚して?
それから普通に老けて?普通な死に方して?普通の葬儀で?人生を終えるはずだ?
それはゆるぎない事実だと思っていた・・・
P.S:ちなみに俺の本名は飯野昌人である



(いやいや万が一にもねぇよそんなこと。なぁ?俺どこで間違ったんだ俺?あれ?俺ってなに?)

「なにやら困惑してるようね。でも事実なの。私は10年後のあなたなのよ。」

「そんなことあってたまるか!!何が楽しくて俺はオカマになんかなってんだよ!!」

「事実よ。認めなさい。ちなみにアレはとってあるわ。」

「サラリと絶望的なことをいうなああああああああ!!」

「ぐだぐだうるさいわねー。あんた男でしょ?」

「うるせー!!てめーも男だろうが!!?」

「失礼ね。私はちゃんとカミングアウトしたわよ。」

「これは夢だ!!きっとこの世界で俺が自殺したらお前は消えるんだあああああああ!!!!」

「あーもー。こんなことしてる場合じゃないのよ今は!!」

「じゃあどんな場合なんだよ!?」

「あなたの身に生命の危機がせまっているのよ!!」

「かまわねぇ!!俺が死んでお前も消えたらええねん!!みんな死んだらええねん!!!!」



とはいったものの俺は死にきれず
自称未来の俺に言われるまま生命の危機を回避することになった



「なぁ。なんで俺らスーパーにきてるわけ?」

「こここそがあなたの命を奪う犯人が潜伏している場所なのよ。用心なさい。」

「っていうかそうだとしてもいるのおばちゃんだけだよな?」

「そう。だけどそのおばちゃんが時として人を殺す凶器になるのよ・・・。」

「ならねぇよ。」

「さあ。とりあえずあなたは普通に鯖の味噌煮を買いなさい。」

「・・・は?」

「「は?」じゃないわよ。命かかってるんだから心して鯖の味噌煮買いなさいよ?」

「いやいやなんでそんなもんに命かけなきゃならねえんだよ。」

「だからあなたが鯖の味噌煮買うか買わないかで死ぬか死なないかが別れるのよ。」

「そんなワケのわからねえ理由で死んでたまるかよ!!そもそも俺なんで死ぬのかが理解できねえんだよ!!!」

「ああ、そういえば言ってなかったわねー。あんたの死因はバナナよ。」

「なんてこったい!!!・・・ってバナナ!?」

「あんた今日夕食に刺身食べようと思ってたでしょ?」

「うっ・・・。図星だな・・・。だけどそれとバナナがどう関係あるんだよ!?」

「だからー。刺身買おうと思ってお魚コーナー行く途中に落ちてたバナナで滑って頭打って死ぬの。」

「ば・・・バナナで?」

「バナナで。」

「バナ〜バ〜で?」

「バナ〜ナ〜で。言い方変えても死ぬものは死ぬのよ。」



あなたの目の前に
あなたの未来の姿が現れたら
あなたはどう思いますか?
絶望しますか?
それとも感激しますか?
それとも・・・



「いやただ単に落胆するだけだと思うよ?」

「や〜ね〜私がいるからって照れなくていいのにぃ。」

俺「いやお前いつ帰るんだよ?」


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