タイムマシンに乗って

姉「ご飯だご飯だー」
弟「あー腹減った」
母「こら、ちゃんと手は洗ったの」
父「皆!ちょっと聞いてくれ!」
弟「洗ったよう…チェッ、今日は焼き魚かあ」
母「贅沢言わないの!」
姉「食べたくないんだったら、私が貰うわよ」
父「実は父さんな、物凄い発明をしたんだ!」
弟「姉ちゃんがそれ以上食べたら豚になるよ」
姉「何ですって!」
弟「この前だって、体重計に乗りながら溜息吐いてたじゃん」
姉「うるさいわね!」
父「…えーっと、聞いてるか?」
母「2人共止めなさい!」
弟「はーい」
姉「はーい」
父「よし。これはな、世界の常識をひっ繰り返す、偉大な発明なんだ!」
母「で、お前学校の方はどうなの?」
弟「えー何がー?」
母「何がって、ちゃんと勉強してるのかい」
弟「してるよー」
父「どうだ?何だか知りたいだろ?」
姉「嘘々。昨日も廊下に立たされてたじゃない」
弟「よ、余計な事言うなよ!」
姉「ふーんだ」
母「まあ!お前一体何をしたんだい!」
弟「いやあ、廊下でキャッチボールしてたら、窓ガラス割っちゃって」
父「うん、まあ窓ガラスの事は措いといてだな、父さんの発明を…」
母「何だい、またそんな事を。先生に謝りに行かなくちゃいけないじゃないか」
弟「姉ちゃん、告げ口なんてずるいぞ!」
姉「あんたが悪いんじゃないの!」
父「言うぞー言うぞーびっくりするぞー」
母「お前、それ以外母さんに隠してる事は無いだろうね」
弟「な、無いよそんなの」
姉「えー?じゃ、机の中に突っ込んである0点のテストは?」
父「ジャーン!父さん何と、タイムマシンを発明しちゃいましたー!」
母「0点!?」
弟「ばばば、馬鹿!何言ってんだよ!」
姉「あれ?まずかった?」
弟「ま、まずいに決まってんだろ!」
母「どういう事だい!だから、あれ程勉強しなさいって言ってるだろ!」
父「父さんが着けてるこのベルトが、実はそれなんだ。びっくりした?びっくりした?」
弟「ごめんなさい…」
母「恥ずかしいったらありゃしないよ、全く」
弟「姉ちゃん、覚えてろよ!」
姉「忘れまーす!あっ、ちょっと醤油取って」
弟「何でだよ。姉ちゃんの方が近いだろ」
父「それでだな、このダイヤルを回すと、過去にも未来にも行けるんだが…」
姉「あんたの方が近いじゃない」
弟「姉ちゃんだよ!」
姉「あんたよ!」
母「止めなさい、お前達!」
弟「はーい」
姉「はーい」
父「お前ら信じてないな?よし、実際にやってやろう…えーっと…」
母「何でいつもいつも喧嘩ばかりするの!」
弟「姉ちゃんが意地悪だからだよ」
姉「あんたが馬鹿だからでしょ!」
弟「そんな事だから、男にフラれるんだよ」
姉「ななな、何ですってええぇぇ!」
父「未来の世界へ…タイムワープ!」
弟「貴方を見てると、私の心は張り裂けそうです…クラスメートと笑い合っている貴方の、あのキラキラと輝く瞳…」
姉「あ、あ、あんた!人が書いてたラブレター、勝手に見たわね!」
弟「へーん!お返しだよー」
姉「悔しいーっ!」
弟「あ、そんな化け物みたいな顔してると、益々フラれるよ!」
姉「酷い!もう我慢出来ないわ!キイイィィッ!」
弟「何だ、やるかー!」
母「いい加減にしなさいっ!」
姉「はーい」
弟「はーい」
母「これ以上喧嘩するんなら、もうこれからご飯は作らないよ!」
姉「ごめんなさーい」
弟「ごめんなさーい」
母「分かったら、さっさと黙って食べちまいな!」
姉「……」
弟「……」
母「……」
父「ピューン!5分後の我が家へ到着ぅ!」
姉「…ねえ、醤油取って」
弟「うん」
written by kow



戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送